伝えたいことがある [短歌]
☆ ふと唇を突いて出る「うた」・・・舌の上でのみ吟味しては空で推敲を加える。それが「うた」の面目ではないかと思いたい。
今そばに居て欲しいのは君だけと書けたらきっとすっきりするよ
やめられぬタバコをやめる口実にしたくないから独り黄昏
今は昔(?).....大阪の地下街が水に襲われたことを憶いだしました。
肅々と網目のような地下街になだれこむ水 止まる営み
ぬかるみを選んで歩く野良の道そんなゆとりを持てぬ大都市
☆「歌」について…「歌」の精神史 山折哲雄(中公文庫)を読みつつ…
アララギは万葉集を捨てたのか 令和二文字の出処進退
文学のステロタイプに掬われる戦争うたなど私は詠まぬ
ひとくれの散文論じゃ癒されぬ 調べと響きわが胸にあり
昼日中世界枕に高鼾これでいいのかこれでいいのだ
雑感2首
網膜の赤い残像日曜の昼下がりにも働いてゐる
自転車が道の真ん中迷惑を構ひもせずに蛇行してゆく