SSブログ

世界が一つではないことの実感(推敲後編) [雑感]

 

  俵万智さんの短歌を読みたかったらしくて、でも名前を思いだせなくて『苗字が一字、女性、「ちょっと変わった短歌」・・』というリクエストのメモを母からもらって図書館へ・・。短歌の歌集の蔵書が少ないうえに、上の条件に見合う人が特定できなくて、俵さんを含む四人の歌集を借り出した。たしかに素人、学生時代に習ったのは古代の和歌ぐらいだから近代短歌、現代短歌のどれも(母にとっては)新鮮ではあろう。テレビで紹介していたから読んでみたくなったそうだが、少し意外な気がせんでもなかった。「ちょっと変わった短歌」というのは口語短歌のことらしい。私の短歌などは理屈めいてわからんという。まして以下に記すような・・こんなものは五七五七七ではあっても、 おそらく生理的に受けつけないだろう。男の生理的描写なんて・・。


     精液は尽きてしまへど勃ちきたる煩悩の火を持て余す日々


    遣る瀬なく熱きシヤワー‐を浴びながら息子の頭撫づる虚しさ


    まだ明けず寝乱るるままロングピース咥えながらもまどろみてをり


    揺れ動く私の中のうたかたのどれも虚構でどれも真実

    

    立ち眩む穴をめがけて放てども放物線のやうにはゆかぬ


  少し風景の中に身を置いての・・こんなのも作るのだが…これは口語短歌)


     街路樹を伐る汗よりも青臭い幹の命にふと歩みよる


    川端の石に張りつく『ふじつぼ』の行列長く塩匂い立つ


    『かなかな』の飛び去るまでの昼の闇 路地の片蔭猫の眼半ば


  表通りの喧騒が嘘のようなひと気の絶えた路地、たとえば原色が溶け出したような服の人に出会っても・・なんか場違いな思いにとらわれて、なら・・いっそモノトーンの方がこの場には好ましいと今どきの私は思う。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。