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私的感傷 [俳句]

 ☆恋人との思い出などを残しておきたくて俳句の形を借りてみました。



凍らせぬ日もあり 風と草清水


旅ごろも 夏椿にも似たるかな


夏椿 摩耶のふところ天上寺


白南風や武庫をはるかに越えゆけり


ふかぶかと青葉闇なか きみを抱く


夏椿 きみと重ぬる匂ひかな


煩悩のいはれなき果て 洗ひ髪


汗ばめる肌をさらさん 風の岸


ふたりして緑の雨に濡れしかな


激情の跣(はだし)のままに貪りぬ


日盛りに裸の虫となりにけり


あをあらし 電(でん)ひらめくや雲の立つ


ほとばしる雨 夏山の面(つら)はたく


黄昏(たそが)るや のうぜんかづら炎(も)え立ちぬ


冷め遣(や)らぬまま 夕焼の色や濃き


ゆるゆると浸(ひた)る岸辺や 罌粟(けし)の花        


        現在地


炎昼をゆく夢果つや 惨(ざん)無情


さ渡るや あしたは夏至か真夜の風


月隠る 窓辺に恋ふや梅雨の蝶


瓢々と日をめくるたび 腸を灼(や)く


音量を絞れば涼し 闇の隙


出涸らしを含んで守宮(やもり)の脚の先


静まりぬ 雨戸の闇に蛾の吐息

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