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現代短歌は乾ききっているというのか [短歌]

 ☆ たとえば目の前を飛び遊んでいる小蠅一匹をどういうふうに歌に詠みこむか・・大上段に振りかぶることなくいかに対象化するか~そんなことにおもしろさを感じてしまいます。小さいと言ってしまえばそれまでですが、小蠅の複眼で見る世界も面白いと思います。餌もないだろうにどうやって生き延びているんだろうとか考えてしまうのです。



悲しみを己愛の海に帰すときさゞなみさえも津波となって


ひそやかなときめきさえも弓なりに曲がる光の電気信号


生きるためわたくしごとのただうたを みそひとおとにのせて吐きだす


露出して だからどうなの百億の戦後万葉いまも彷徨う


左翼的ステロタイプに掬われる戦争うたなど私は詠まぬ


ひとくれの散文論じゃ癒されぬ 調べと響きわが胸にあり


疑問から始めよ両の手のひらに物差しいくつ世界を見よう


花ざぼん凍らせようか論戦の果てに奇妙なこの安堵感


甘い夢いざなう波の引き満ちるときの泡沫(うたかた) 星の営み


流れ星スッとどこかへ消えてゆく歌の墓場はいずくにありや

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