兎抱く心われらに無かりしや



   昏れ泥む浜百千の白兎かな



   点心を腹にをさめて日なたぼこ



   凍星や点滴終えて帰り道



   銀傘や冬青空の岸に映え



   ゆるゆると日を集めけり冬紅葉


   立冬や角煮ほほばる街のかど

   冬立つや肉まんふたつひとつづつ

   小六月おもひでの地へひとり来て